エネルギーの自給自足
地元資源を生かして
電気やガスなどのエネルギーが使用できる生活は非常に便利で快適なものです。しかし、今後もこのようなエネルギーを使用し続けるには、絶対に解決しなければならない問題が存在します。それは、日本のエネルギー自給率です。なんと現在、日本におけるエネルギー自給率は、2024年度で、たったの16.4%しかなく、エネルギー資源のほとんどの部分を外国から輸入していることは皆さんご存知の通りです。(下図参照)
さらに、 日本で使用が最も多い石油に関してはこのまま使用し続けた場合、将来枯渇して輸入もできなくなり、いずれ使えなくなってしまう可能性が懸念されています。
日本のエネルギー自給率の推移
主要国の一次エネルギー自給率比較(2023年)
2024年度では日本で使用されているエネルギー資源の約8割が化石燃料になっています。化石燃料は現代社会の多くの場面に浸透しており、例えば石油は、灯油やガソリンなど自動車の動力源や電気の発電を含む様々な分野で使われている燃料であり、原料としてプラスチックも使われています。このようにさまざまな場面で使われているエネルギー資源である石油に代わって、すぐに利用できるエネルギー資源を用意するのは困難です。
また、インフラを転換するのにコストや時間がかかってしまうことも依存が引き起こした問題の一つです。産業革命以降、多くの化石燃料が使用されるようになり、人類は約200年間化石燃料を利用し社会を創り上げてきました。ガスや電気などの供給網や、末端で使用される製品といった、ほとんどのものが化石燃料を使うことを前提につくられた社会インフラの中で、問題なく成立するような新しいエネルギー資源への転換は膨大なコストと時間がかかります。
多くの事業活動において、電力は必要不可欠の存在です。エネルギー問題の先には、電力需給の逼迫などが見込まれ、事業活動にも影響を及ぼします。
そのため、省エネ対策を抽出し個人や企業で事業への取り組み方を決めたり、電力が不足してしまったりした際にも対応できるようにしておく必要があります。
また、環境問題を解決するための手段として注目されている再生可能エネルギー事業に関しては、プロジェクトが大きければ大きいほど設置地域に対しての環境負荷が見込まれ、地域住民の方々との合意形成も課題になってきます。一部の地域ではメガソーラーの導入が反対されたり、温泉事業者から地熱発電プロジェクトが反対されたりした実例もあり、再生可能エネルギーの導入には、地元の合意を得ることが必要不可欠です。
さらに、近年では環境問題に対し高い意識を持った消費者も増加しているため、個人や企業の経営者には、環境に負荷をかけない商品や製品の開発など、環境に配慮した事業活動の取り組みが求められています。
一部のコンビニチェーンでは、店舗建築の際等に太陽光発電装置を設置し店舗のエネルギーを賄っている実例もありますし、政府は今後新築の際の、住宅あるいは商業施設等に太陽光設備等の設置義務を図ろうともしているようです。
日本の一次エネルギー供給構成の推移
図1:日本全体の電源構成(2025年速報)
出所:電力調査統計などよりISEP作成
図2:日本の全発電電力量に占める自然エネルギーの割合の推移
出所:電力調査統計などよりISEP作成
そこで私共は、規模が小型の「バイオマスガス発電所」設置を提唱させて頂いております。
「バイオマスガス発電所」建設と申しますと既存の大型発電所を思い浮かべますが、
私共は全く発想を変え、小規模な市町村における市庁舎とか複合施設の電気を賄うだけの「小型バイオマスガス発電所」を建設し、「エネルギーの自給自足」を図ろうとする施設を目指しています。
この発電「バイオマスガス発電」は、刈草・樹木の剪定枝・間伐材などの植物資源、いわゆるバイオマスを直接燃焼させず、熱分解炉で加熱してガスを発生させ、そのガスをエネルギーとして発電を行う装置です。
しかも私共は、そのバイオマス資源の中心として「竹」を考えています。
日本において竹は、戦後、タケノコの栽培や竹材の利用を目的に多く植えられたものの、近年、需要減少などから、手入れをされていない竹林が増加しています。
竹は成長力が非常に強く根が森林へ拡大、侵入することで、そこに生育する樹木の健全な成長を阻害させ、枯死させることから、他の樹木や生物多様性への影響が大きく放置竹林の拡大防止と、伐採した竹を資源として有効活用することが重要な課題となっています。
しかし、竹は、カリウムが多量に含有されているため灰の軟化温度が680~900°Cと低く、大型のボイラで燃焼させると炉内にクリンカという溶岩を生成するといった特性を持ち、塩素濃度が高いことから耐火物や伝熱管の腐食を発生させやすいといった課題を有しています。また、低温で燃焼した場合、ダイオキシン類を生成し、さらに燃焼温度に関わらず200~500°Cでダイオキシンが再合成することにもつながります。このため、竹をバイオ燃料として利用することは、不向きとされていました。
こうしたニーズに対応して(株)日立製作所は、2017年、竹をバイオ燃料として利用するため、カリウムと塩素を取り除き、木質バイオマス燃料並みに改質する技術開発を進めてきました。その中で成長の早い植物の断面が多孔質の繊維で構成されていることに着目し、微粒化し水に浸せば、水溶性物質であるカリウムと塩素類を容易に溶出できるという知見を得、この知見に基づき、竹を専用の粉砕機で粒径6ミリ以下まで微粒化し、それを水に浸すことで、カリウムと塩素を溶出させ、脱水することによりカリウム濃度と塩素濃度を低下させることができました。この結果、灰の軟化温度を1,100°C以上に向上させるとともに、塩素濃度を木質バイオマス燃料と同等レベルまで抑えることに成功しました。
また、本技術が、孟宗竹、真竹、淡竹、笹や雑草類、未利用の杉の皮でも同様の効果があることを確認しました。
さらに、竹の改質により溶出した成分を分析した結果、有害物質は検出されず、リンと窒素も微量ながらも有していることから、植物育成剤としての利用が可能であることを確認しました。
この技術の成功により、従来バイオ燃料には不向きとされていた竹類を有効なエネルギー源とするとともに、持続可能なバイオマス再生循環システムの確立につながりました。
竹はその生命力の強さから、竹が多く生息する西日本では、ある意味「厄介者」扱いされ
てきました。
ところが近年、竹は"ゼロエミッション素材"として脚光を浴びることになってきました!
ゼロエミッションというのは簡単に云えば"無駄"が出ないと言うことです。
図で示しましたように
竹から産まれるすべての素材が私たちの生活に大きく役立つことが判明したのです!
竹繊維とプラスチックによる「繊維強化プラスチック」が高強度、軽量化ボディーを必要とする未来カーに使用される日が来るかも知れません。
このように「竹」が我々の生活素材として役立ちますが、大量に使用できないため、
簡単に「厄介者」からは卒業できない現実があります。
そこで、先述の燃焼技術の開発により、将来的に有望な「再生可能資源」として注目される
ようになっています。
国内の竹の分布は西日本が中心で、九州・四国・近畿などの比較的温暖な地域に集中していますが、その地域に生息している竹だけで、年間1,300万トン以上のバイオマス資源として供給できる状況にあります。その他、燃焼材料については、農村地域において社会問題となっている耕作放棄地の草類・刈草・間伐材等々の資源も存在しています。
耕作放棄地、河川及び農道等の草類刈り取りは年間6回程度可能です。竹類は成長が早く3~5年周期で伐採できますが、竹の二酸化炭素吸収率は、杉などの1.5倍(桐の木は3倍)ありますが、ただ、その二酸化炭素吸収を、竹は6年間しか行わないのだそうです。よって、竹は6年周期での伐採となります。
私共が提唱する、バイオマスガス発電は、バイオマスを直接燃焼はしません。
直接燃焼せず、熱分解炉で加熱、ガスを発生させ、そのエネルギーとして発電を行いますが、その資源として、竹・その他を使用します。
熱分解でガス化すると残渣として炭素「炭」が発生します。またガス化せず燃焼させますと、「フルボ酸鉄」を製造できます。
共に、土地改良剤等として有効活用することにより「カーボンマイナス」が可能となります。
私達が提唱する、「バイオマスガス発電所」設立は、エネルギー資源は全て地元・発電された電気も地元で使用(緊急時対策兼用)発生する残渣は地元に提供もしくは販売‼
地元で始まり地元で終わる‼ 「SDGs」の規範です。
出典:IEA「Market Report Series - Renewables 2024(各国 2023年時点の発電量)」、IEA データベース、総合エネルギー統計(2023年度確報値)等より資源エネルギー庁作成